保育園、実は無償にならない
保育園の無償化で喜んでいる人と、怒っている人がいる。怒っているのは無償化の恩恵に預かれないらしい人たちです。
その原因は?
1.保育無償化の対象年齢でない
対象は3~5歳。0~2歳は住民税非課税世帯に限ります。
誕生日が来て三歳になると年度途中でも対象になりそうなので、同じクラスに対象児童とそうでない子が混在することに。なんで年度ごとにしないんでしょうねー。
2.保育無償化対象施設ではない
認可の保育園に通う児童は自動的に対象になります。
認可外保育所・保育を行う幼稚園などは、どういう認定・確認を受けているかで異なります。また、預かり事業やファミリーサポートも対象になるものがあります。
認可に落ちたから対象外施設に通っている……という方にはイタイですね。
3.保育料の便乗値上げ
補助が出る金額に合わせて保護者に打診もなく保育料を値上げし、保護者の負担額はちっとも減らない事例がたくさんあるのだとか。ひどい話です。
保護者には補助の恩恵がなく、保育園がピンはねしてるってことですよ。
行政がそこを阻止する様子がないのも腹立たしい。
保育士不足の折、行政が保育園運営者へ出すべき補助金を出せていないので、ここは大目に見ているのか?
「子供を増やしたい」という国の本気度が疑われますね……。
4.保育無償でなく一部補助
そもそも保育料の無償化といっても全額ではありません。補助金額に上限がある。
認可外施設に通っているなら基本的には月額37,000円までです。
だから便乗値上げされたため負担額は変わらない事態が発生するのですね。
また、補助は保育料の部分のみで、PTA会費や諸々の費用は対象外です。運営費確保のためか、諸費のかさむ園もあり、園によって差がつく部分でもあります。
5.制度がわかりにくい
国の言う「保育」は何らかの事情で「保育に欠ける子供」に対する福祉なので、「保育の必要あり」と認められない児童は対象外になります。
ただし、利用施設自体が「認定を受けている」場合は、そこを利用する児童は対象に含まれます……。
なんのこっちゃ? わかりにくいです。
要は、対象施設だったらラッキーってことですね。
- 自分の子供は対象なのか
- 利用する施設は対象なのか
- 手続きは必要なのか
以上は、自分で確認する必要があります。
大阪市のHPがわかりやすかったので、リンクを貼っておきます。
https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000349320.html#111
しかし、当事者の方はお住いの自治体のHPをチェックしてくださいね。
保育は自治体独自の制度がいろいろあり、差がありますので。
6.なんか不公平
保育園利用者でないところからも、怒りの声があがっている!
家で保育している人たちです。いわく、
「子供をただで預かってもらえて、職場でお金をもらえて、ずるい」
なるほどっ……。
- 保育園に落ちたから止む無く家にいるという人
- 祖父母が同居だから保育園申し込みが認められない人
このような方々には納得いかない制度です。
7.まとめ
便乗値上げで騙された感ある、施設によって差があるのは不公平、などなど問題の多い制度ですね。施設や事業が認可・認可外・認定など多様なので恩恵に差が出ているのですが、決して利用者が自由に選択できているものではない。
この制度のせいで保活がより厳しくならないことを祈ります。
国はこれでお茶を濁さないでしっかり仕上げていってほしいと思います。
子育て卒業のワタシとしても、他人事ではありません。
子供が育たない国に未来はないですからね。