るろにん綴り

ぷーたろー気分のシングルマザーです。子育ても仕上げの時期となり、思い出したことも含めて書いてみる。

出汁にでる輝かしき主婦の品格。

男は餌付け、などと以前に書いた気がする。

とはいうものの、私は料理がとっても苦手です。息子が独立したのちは、母のご飯を楽しみに里帰りするなんて一切ないかもしれない……というおそ松さん。今のところ一応「作ってくれてありがとう」くらいは思ってくれてるようですが、それも私にとって料理が苦痛だと知っていて、その労力に感謝しているだけなのでしょう。

 

先日、中高時代の同窓生が集まったときのこと。

(なぜか私はガラにもなく良妻賢母を育てる系の女子中高出身です。ここの生徒は大金持ちではない地味めのお嬢様がたが多かったのですが、何に対しても常に本物・上質をお求めになる筋のいい家の芸術にも造詣の深い文化的な方々でした。私はなじめなくて苦難の日々を送りました)

凄腕主婦で料理上手なみなさんは、出汁をとるための昆布はどのタイプを購入、だしじゃこはどこのデパ地下で、といった話題で盛り上がってました……。

 

「長い間、出汁なんて取ってないなあ」

つぶやいた私に「どういう意味?」「なんで?」と、みなさんドン引きしてました。

私はこのところ上等な白だしを購入するというちょこっと贅沢に気を良くしていたのですが、「だしをとらない」などとは、彼女たち主婦の鏡のような方々には考えられないことなのでした! 誕生日ケーキも基本手作りの方たちですから無理もないけど。

  1. 食の安全を考え、防腐剤・化学調味料・加工食品などは避ける
  2. ふだんから本当に美味しいものを食べる

この2点を基本に考えれば、だし昆布にこだわるくらいは当然なのですね。しかし、いちいちネットで食品の出どころを調べたり細かく成分表を神経質にチェックするといったことはしないようです。

それは、しっかりした生産者から食品を買えばそういったことはクリアできるからです。「しっかりした生産者」というのは必ずしも著名の大手メーカーではなくて、産地そのものがブランドになっている食材だったり、老舗で製造した調味料だったりということです。上質なスーパーが近隣にない人は、宅配野菜を注文するということもしているそうです。

 

あからさまに贅沢なご馳走をいつも食べているわけではなく、食材・調味料すべてに美味しくて安全な「良いもの」を求め、あちこちでひと手間を余計にかけて食事を作る。普段の食卓は見た目は地味でも、素材を厳選し、それを最大に生かすよう工夫して家族に食べさせているのです。

当然、お金も時間も標準的な家庭よりも多くかかりますが、家族の健康と食の楽しみを預かる輝かしき主婦の品格と言えるでしょう。あっぱれ。

 

こういう人たちを前にするとへこみますね。こちらは惣菜コロッケがメインディッシュだったり、出汁入り味噌を愛用してたり、弁当はすべて冷凍食品だったりしますので……。私は料理きらい・時間がない・お金もなかったし、余裕のあるマダムなあなたたちとは違うんだよねー、ってひがみっぽくなります。

シングルマザーとしては、毎日働いて時間に押されて余裕がないと、料理は時短が第一になるんですよね。この状況、あなたたちにわかる? と言いたくもなりますが、子供が成長してそんな時期も過ぎたので、もう言いません……。

 

 

さて、このところ、ひとりの食卓が多くなったので、毎日のようにひとり鍋か野菜炒めなんかですませていて、たいへん味気ない日々です。さすがに飽きてきました。

時間に余裕ができてきたので、今後は私も少しましな料理を作ってみてもいいかな? という気になってきました。たまには面白がって作れるエスニック料理なんかを作ってもいいなー。家族のためでなく、自分のためなら好きに作れるのがいいですね。そして特別なときだけ、人にふるまおうと思います!

 

義務で作るのでなく、趣味としての料理を始めるのは楽しいかもしれません。